駆除した後なのに
なぜ、「被害」が拡がる!?

 シロアリの駆除をしたのに、なにか被害が拡がっているように見られることがあります。まだシロアリがいるんじゃないかと心配にもなります。
 ここでは、駆除後に見られる木材の変化を考えます。

シロアリの「管理」がなくなると被害部が崩壊します。

 シロアリが生きている状態の木材被害部では、シロアリが土を詰め込み、湿らせて、彼らの生活空間として「管理」されています。


 これが駆除されたことによって「管理」されなくなると、土は乾燥し、ボロボロと崩壊しはじめ、木材表面がふわふわになるので、なんとなく駆除前よりも被害が増えたようにみえるのです。
 しかしこれはシロアリの死滅を示す現象で、駆除時点でわかりにくかった被害部が露呈しただけです。特に被害の先端部分でこうした現象がよく見られます。


 駆除してしばらくしてから、掃除などの際に上の写真のように穴が空いたままの被害部が見つかることもありますが、もしもシロアリがいるなら、外気を遮断するために穴の部分は土で埋められています。
 しかし、穴が空いたままなら、そこにはシロアリはいないのです。特にヤマトシロアリでは、こういう場所に再び生息することはありません。とくに、アリ(クロアリ)などが出入りしていればなおさらです。
 したがって、その部分に対して追加で薬剤処理する必要はないのです。

ただ、シロアリの生息の仕方や建物の構造によっては、一度の処理で駆除できない場合や残存集団が長期間付近で活動することもありますので、その付近の観察がしばらく必要です。